クロの話
一匹の雑種犬が飼われていた。
名前は「クロ」
当時は合法的やった焼却炉に鎖で繋がれていて、
雨風しのげる小屋もなくて、さぞかし辛かったことやと思う。
ご飯は、昔ながらの残飯に味噌汁ぶっかけたモノで、
「なんでこの犬を飼っているのか?」
と疑問に思いつつも、可哀想に思って、
俺はバイトが終わってから、いつもクロを散歩に連れてやっていた。
クロは、お散歩が楽しいらしく、
めっちゃ喜んでた。
ある冬の凍えた日に、クロは冷たくなってた。。。
俺はクロの亡骸を、工場の片隅に埋葬した。
この工場はのちに倒産した。
※画像はGoogleより拝借m(--)m
もう一匹のクロの話。
人間てのは安易で、黒いからクロとか、白いからシロとか、
もっと我子のように洒落た名前を付けてやれんのかね?
もう一匹のクロの環境は、
先のクロとよく似ていたけど、もっと過酷というか残酷やった。
小屋も無しで違法な大型焼却炉に鎖で繋がれてたんで、
いくら犬でも可哀想な環境やった。
夏場とか、俺でも喉が渇くんで、
タバコを喫いにいった際にバケツに汲んだ水を与えると、
クロは、ガブガブと飲んでた。
ご飯なんて、前出のクロのぶっかけご飯よかもっと可哀想やった。
クロの餌担当も日頃のストレスの捌け口なのか、
地べたにドッグフードをばら撒いて終わり。。。(哀
散歩にも連れていって貰えなかったんで、
ウンコも泥まみれの地べたに垂れ流しなんで、
クロがジャレたくて、鎖に繋がれたまま飛びかかってくるけど、
とにかく臭いし、足はウンコだらけなんで、
さすがの俺もそれは敬遠した。
そんな時、クロの前に女神が舞い降りた。。。
18年前の話である。
女神はクロを可愛がって、
暇さえあれば散歩に連れて行って、
クロもとても喜んでた。
だけどクロは、前出のクロと同様に、
凍え死んだ。。。。
昔だと農耕用に馬とか牛が重宝されてて、
馬は人間の10倍働くから。賃金も10倍貰えて重宝されて、
手入れもしっかりされていたんやけど。
俺思うに、何で皆は犬を飼うんかな?
番犬?
最近はIT技術が進んでるんで、
防犯カメラで充分でしょ!?
愛玩用?家族?
バカじゃね!?
そんなら我が同様に面倒みてやれよ。
大学へ上げてやるまで面倒みてやれよ。
ペットは、お手伝さんを雇えるようなセレブが、
アクセサリー的に飼うもんで、
ご飯もあげない、散歩にもいかない庶民は、
ペットを飼う資格無いと思う。
ウンコはするし、ギャンギャン吠えるし、
とにかく、近所迷惑だけはやめてね。
大切な家族なら、自分のベッドで抱いて一緒に寝れ!!